・ヘアケア製品の選び方
- [選び方のポイント]
- 「アルコール」ができるだけ入っていないもの
- 「石油系界面活性剤」ができるだけ入っていないもの
- 「防腐剤」ができるだけ入っていないもの
- 低刺激処方のもの
- 髪や頭皮と同じ弱酸性のもの
- ◇シャンプー剤が引き起こす皮膚トラブル
毛髪・頭皮に付着したほこり・スタイリング剤・汚れ(脂質・フケ)を洗い流して清潔に保ち、皮脂代謝と生理機能を正常に保つことが洗髪の目的といえます。
【洗浄に伴う過度の脱脂】
シャンプーの洗浄効果は主に石油系界面活性剤に由来し、合成のものを使用すると髪や地肌に容易になじむため、必要以上の脂質が奪われやすい状態となります。表皮、特に角質層を破壊することでかゆみ・アレルギーを誘発してしまいます。
【角質層の変性・水分保持機能の低下】
強い洗浄効果を持つ石油系界面活性剤は、本来皮膚から入り込まない化学物質でも入り込みやすくしてしまう働きがあります。
正常な皮膚を変性させ、角質から天然保湿因子や細胞間脂質などが溶出することにより、本来10%~20%に保持しなければならない水分量を低下させてしまいます。
これにより、洗浄後に皮膚の生理機能を維持することが難しくなり、皮膚の乾燥とバリア機能の低下をきたす恐れがあります。乾燥した肌荒れ状態によりフケ・抜け毛・細毛の症状が起こりやすくなります。
【かぶれ・湿疹】
直接肌に触れるシャンプーは頭皮に限らず、顔・身体に残留しやすいといえます。皆さんはどのくらいすすいでいますか?シャンプーは比較的短時間で行われますが、石油系のものは強い浸透力で皮膚に残留しやすく、影響は大きいと言えます。近年は、美容業界における「シャンプーが引き起こす皮膚炎を中心とするトラブル」は減少傾向にあります。しかし、理美容師がアレルギーなどの皮膚炎を起こすといったケースはまだ発生しており、パッチテストを繰り返し行った結果、有害な成分の含有が特定できたという報告もあります。
【香料】
香りは臭覚を介してさまざまな作用を及ぼすことが明らかになっています。
◇頭皮と髪をいたわるシャンプーのコツ
《泡シャン》
汚れを落としてくれるのは泡です。シャンプーはそのまま塗布するのではなく、しっかりと泡立ててから髪にのせましょう。直接シャンプーをつけると、全体にムラなくいき渡らせることができないため、必要以上に使ってしまいます。また、頭皮についたシャンプーはすすぎの際に残りやすく、頭皮にも髪にもよくありません。
《2シャン》
汚れをきちんと落とし丁寧に洗うために、1回で2度のシャンプーをオススメします。
1シャン目ではスタイリング剤やホコリなどの髪の汚れを洗い流し、2シャン目で頭皮の汚れを洗い流します。
◇トリートメントとは?リンスやコンディショナーとは何がちがうの?
《リンス・コンディショナー》
一般的に髪の表面に保護膜を作って、髪のすべりをよくしたり、髪のパサつきを防ぎます。
髪のすべりを良くすることで、キューティクルの傷みも防ぎます。
《トリートメント》
髪の内部に成分を浸透させて、髪の状態を整えます。髪の傷みを補修したり、髪の質感をコントロールしたりするものがあります。リンスやコンディショナーの機能を併せ持つタイプがほとんどなので、シャンプーの後はトリートメントだけでも充分な仕上がりが得られます。
きちんとヘアケアしているはずなのになぜか常に悩みを抱えているという方、少なくないのでしょうか?髪にハリ・コシがない、においが気になる、乾燥しているなどの原因は、もしかすると毎日のシャンプーやトリートメントにあるのかもしれません。
洗髪の目的は、毛髪に付着したホコリ・スタイリング剤・汚れを洗い流して、清潔に保つことです。しかし自分に合っていないものを継続して使用したり、間違ったお手入れ方法を繰り返していては、逆に髪や頭皮にダメージを与えてしまいます。
紫外線や皮脂汚れなど、いつも以上に髪の傷みが気になるこの季節、毎日のシャンプー・トリートメントを見直してみましょう。