◇抜け毛、薄毛
過剰な皮脂が酸化して過酸化脂質となりも毛乳頭にダメージを与えます。また洗髪の際、すすぎ残しが皮膚呼吸を妨げ、細毛・軟毛・抜け毛といった症状を引き起こします。
◇正しい頭皮ケア ~ツヤ髪のために~
・頭皮を清潔に保つために
正しい洗髪の仕方を身につけましょう。汗、皮脂が頭皮に悪影響を与えてしまうと思い、頭皮を強く洗いすぎる方が多いようです。やさしく指の腹で洗いましょう。
・頭皮を紫外線から守る
毛髪によってある程度は守られてはいますが、必ず影響は受けています。日傘や帽子などでガードしましょう。
・乾燥予防
水分不足は頭皮を硬くし、頭皮の血流を悪化させます。しだいに抜け毛、細毛の原因に。頭皮も皮膚の一部ですので、しっかり水分補給をしましょう。
・頭皮環境を整える
育毛剤を利用して、頭皮の健康維持を行いながら、ヘアサイクルを正常に保つことが大切です。
≪育毛剤について≫
<使用目的>
- 頭皮機能の正常化
- 頭皮の血流循環の改善
- フケ、かゆみの防止
- 毛根への栄養補給
<分類>
- 化粧品 → フケ、かゆみを抑え頭皮を健やかに保つ
- 医薬部外品 → 毛生促進、発毛促進、育毛、薄毛・フケ・かゆみ・脱毛の予防
- 医薬品 → 病的脱毛(円形脱毛症、脂漏性脱毛症)の治療、育毛、脱毛の進行予防
現在市販されている育毛剤は、様々な成分を配合しています。自分にあった育毛剤を選ぶことが重要です。代表的な成分は以下の通りです。
<成分>
▼頭皮機能正常化
1 殺菌・・・ヒノキチオール・イソプロピルメチルフェノール
2 抗炎症・・・メントール・グリチルリ酸2k
- 抗脂漏・・・イオウ・チオキソロン・塩酸ヒドロキシン
▼頭皮柔軟・緊張緩和
1 保湿・・・トレハロース・イチョウエキス・冬虫夏草・アルテアエキス
▼代謝機能正常化
1 血行促進・・・セファラチン・センブリエキス・ミノキシジル(医薬品)
2 ニコチン酸アミド・パンテニール・ユビキノン
◇脱毛症
女性の見た目年齢を左右する髪のボリューム。いつまでもふんわりとハリコシのある髪をキープしたいものです。ところが、最近ストレスや食生活、環境の変化などが原因で、薄毛・脱毛に悩む女性が増えているといいます。気になり始めたら、早めに原因を見つけて対処しましょう。
- 男女で異なる薄毛の進行
女性に多いタイプ → 全体的
男性に多いタイプ → M型・O型
- ヘアサイクル
脱毛症は、ヘアサイクルの乱れが原因で起こる症状です。
[退行期]2~3週間 →[休止期]4~6ヵ月 →[成長期]3~5年 →[退行期]・・・
- 若い人にも増えている、女性の脱毛症
女性の多くに見られる全体的に薄くなる脱毛症は、元々は、閉経後、女性ホルモンの乱れによって起こることが多く、頭皮と毛髪の“老化現象”と捉えられていましたが、最近では若い人にも増えています。
[原因]
・極端な食事制限によるダイエット
→栄養不足になって頭皮や毛母細胞に栄養が届かない!
・ストレス、喫煙、運動不足、夜更かし
→頭皮が血行不良になって毛母細胞に届かない!
・間違ったヘアケア
→髪が傷んだり頭皮が炎症を起こす原因に!
[対策]
・生活習慣の見直し
→まずは規則正しい生活を心掛けましょう。頭皮に悪影響を与える習慣は控えた方が吉。
・ヘアケアの見直し
→髪の毛は寝ている間に成長します。シャンプーは朝ではなく就寝前に行い髪が成長しやすい頭皮環境を作ることが大切です。また、ヘアケア剤は頭皮への刺激が少ないタイプのものを選びましょう。
◇ストレス時代の頭皮トラブル円形脱毛症
[どんな症状]
十円玉ほどの大きさの脱毛症状。原因は明確になっていませんが、精神的ストレスが原因
だといわれています。
[円形脱毛症に気づいたら]
まずは原因と思われる精神的なストレスをなるべく取り除くようにし、心と体に休養を
与え、自分自身を癒しましょう。
※円形脱毛症はストレスが取り除かれれば、元通りに回復するとされています。
自分がなってしまうとふさぎ込んでしまいがちですが、誰でもなりうることだと気持ちを切り替えて、思い切りストレスを発散しましょう。
◇抜け毛や薄毛と、現代の生活習慣の関係
- 近年、多く見られる脱毛
1 円形脱毛症
皆さんが一番耳にする円形脱毛(いわゆる十円玉はハゲ)ですが、現代でも年を追うごと
に老若男女問わず増加傾向にあり、これにはストレスが大きく関係しています。この場合
のストレスとは、遅い時間の就寝、食事をしっかり摂らない、身内や友人と会話がないな
いなどが挙げられます。
▼これは、自然に逆らったストレスの多い不規則の生活をしていると、体内の神経が途切れて血行が悪くなり、毛根部に栄養が行かず、その神経の影響で毛髪が円形でぬけてしまうからです。ひどい場合には、全頭・眉毛・まつげ・などの広範囲にわたってぬけてしまうこともあります。
2 男性型脱毛
遺伝的に男性ホルモンの分泌が多い人ほど、皮脂腺が刺激されます。生産され過ぎた皮脂は、毛孔を埋め尽くして新生毛髪の発育を阻害します。また男性ホルモンが毛母細胞を抑制する結果、発毛・育毛を阻害されて毛髪が早く抜けてしまいます。タイプとしては「頭頂部に薄毛が進行する方 O型」、「額の薄毛が進行する方 M型」や「全頭型」などがあります。
▼薄毛や脱毛に処方される「フィナステリド=男性ホルモン阻害剤」を服用することで7割以上の患者さんに効果が出ております。問題なのは「効果はあるが満足していない、将来が不安」という患者さんが5割ほどにのぼることです。なおドイツで開発された新薬であるデュタステリドは、従来のフィナステリドの1,6倍の効果があるとされています。
3 びまん型脱毛
最近のヘアウィッグのコマーシャルでもよく見られるように、女性の脱毛は年々増加傾向にあり、若い女性の間にも多く見られます。これは「びまん型脱毛」と言って、毛髪が全体的に薄くなるタイプです。
▼私たち人類は、男女問わす男性ホルモンや女性ホルモンの両方を体内に持ち合わせております。女性は特に、閉経後から女性ホルモンの分泌が減少します。その反面、男性ホルモンは減少することはなく、毛根の成長を抑制して、毛髪が全体的に薄くなるのです。つまり女性ホルモンは、毛髪をフサフサにするホルモンと言えるでしょう。
◇脱毛における対策・治療
1 体内時計のリズムにあった生活をする
早寝早起きを心がけ、質の良い十分な睡眠を取りましょう。
2 バランスのよい食事をしっかり摂る
特に女性は戦後より栄養状態が悪くなっているという現状データを認識し、偏った食生活を改善しましょう。毛髪を作るのに必要なたんぱく質、ビタミン、ミネラルを含む食品を積極的に摂取するように心がけましょう。
3 ストレス解消
ストレスは自律神経を乱し、毛髪の成長を妨げます。適度な運動や趣味などでストレスを解消しましょう。
4 正しいシャンプーを選ぶ
毛髪や地肌の汚れは、お湯で洗うだけでも70%~80%は落とすことができます。そのため、洗浄力の強いシャンプーを使い続けると汚れだけではなく、必要以上に皮脂を奪い、過度な乾燥を引き起こします。前述のようなシャンプーの使用を控えて、たんぱく質変性をさせないような人体に優しいシャンプー等を使用し、適度な洗髪をしましょう。
◇内服治療
男性にはフィナステリドやデュタステリドなどの内服薬があり、女性にはパントテン酸カルシウムという内服薬があります。しかし、女性用のパントテン酸カルシウムという内服薬は、毛髪の栄養剤的なものでその効果の程はまちまちのようです。
◇喫煙
喫煙は頭皮の血行を悪くし、毛髪の成長を悪くします。健康な毛髪は、健康な頭皮から生まれます。ストレスや暴飲暴食、喫煙、睡眠不足が大きく影響するので、ご自身の生活環境にも注意してください。また、過度な洗浄力のあるシャンプーを使用することや、良質なたんぱく質やアミノ酸ミネラルや亜鉛を多く含む食材を積極的に取り入れ、健やかな頭皮を保つよう心掛けるようにしてください。